胃内視鏡検査(胃カメラ)
Scroll胃内視鏡検査(胃カメラ)について
胃内視鏡検査(胃カメラ)は、胃や食道、十二指腸を内部から観察する設備で、上部消化管内視鏡とも呼ばれます。
胃潰瘍や胃炎、食道炎や十二指腸潰瘍のほか、食道がんや胃がんを発見することや、状態の確認などに活躍します。また、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染を確認することもできるので、慢性胃炎や胃がんへの検査・診断にも有効です。
「胃カメラは苦しい」というイメージが強く、推奨されても「できれば避けたい」と思う方も多いようです。しかし、当院では最新型で痛みが少ない内視鏡を使用していますし、できるだけ苦痛や身体的負担が少ないように注意しながら使用しています。そのため、胃カメラによる検査を勧められたときや検査の必要を感じたときは、ぜひ当院にご相談ください。
内視鏡検査の枠で空きがあれば、当日受診時に胃カメラの施行が可能ですので、希望がある際には受診当日は絶食で来院してください。(対応可能な場合のみ)
胃腸内視鏡検査(胃カメラ)必要な理由
胃内視鏡(胃カメラ)は胃や食道の内腔を直接視認できるだけでなく、病変が疑われる場合は組織を採取し病理診断をつけることが可能です。そして、もしがんを疑う病変を指摘されても、現在日本の内視鏡技術は世界最高レベルであり、早期で胃がん、食道がんが診断された場合、高い確率で内視鏡的切除で治癒が目指せます。早期診断、早期治療のためには胃内視鏡は非常に大切な検査です。
現在胃がん検診は、胃透視検査(バリウム検査)と胃内視鏡で行われています。もし胃透視検査で異常が指摘された場合は、精密検査で通常は胃内視鏡が行われます。そのような背景もあり、効率性ということを考えると現在は最初から胃内視鏡を選択される方が増えております。また、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療にも胃内視鏡での”慢性胃炎(萎縮性胃炎)”や”胃潰瘍”の臨床診断が必要です。胃内視鏡は現在の消化管診療で必要不可欠な存在となっております。
胃内視鏡は胃の病変だけでなく、食道がんをはじめ食道疾患の発見にも有用な検査です。胃酸の逆流症状(呑酸症状や胃酸の込上げ、心窩部の痛みや夜間の咳)があれば胃内視鏡をすることで胃酸分泌抑制薬での治療が可能です。また食道がんの場合は食事のつっかえ感や飲み込み難さがあれば一度胃内視鏡での精査が必要です。そして食道がんはアルコールの摂取や喫煙がリスク因子だとはっきりしております。そのような生活習慣の方は一度胃内視鏡を受けることを強く推奨いたします。
胃がんと食道がんの疫学
胃がんはかつてがんによる死亡原因の断トツの第1位でした。現在は肺がん、大腸がんに次ぐ第3位です。下記の表を見ていただくと胃がんの罹患率(診断される人)と死亡率とも経年的に減少しております。その背景としてはやはりヘリコバクター・ピロリ菌の感染者が減少していることが主な原因です。背景としては上下水道が整備され井戸水の使用頻度が減り、衛生環境の改善でピロリ菌に感染する人が減少していることが原因の一つです。また現代ではピロリ菌の診断がされれば基本的に除菌治療が実施されるため除菌治療済の方も多くなってきております。そのような背景があるため、胃がんの患者層の中心は70〜80歳となってきております。
引用:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
食道がんの頻度は胃がんに比べれば圧倒的に低く、食道がんと診断される罹患割合は男性で第7位となっております。食道がんはリスクが明確であり、アルコールの摂取と喫煙です。そのため食道がんのための対策型がん検診は行われておりません。しかし、胃内視鏡では食道も同時に評価可能であり、アルコールの摂取が多い方や喫煙歴のある方は積極的に胃内視鏡を受けていただくことを推奨いたします。
胃カメラでわかる疾患
- 胃がん
- 逆流性食道炎
- 十二指腸潰瘍
- 食道がん
- 胃潰瘍
- 胃ポリープ
- 胃炎
- アニサキス
- ピロリ菌
当院の胃内視鏡検査(胃カメラ)の方法
胃内視鏡検査を受ける際にハードルとなるのが心理面のハードルです。”不安”や”苦しい”などのイメージが先行してしまっていると思いますが、当院ではそれらのハードルを払拭するため、可能な限り負担を軽減する取り組みをしております。通常の太さの内視鏡(10mm)は使用せず、新型の内視鏡(GIF-1200N; 5mm)を使用することで、口からの内視鏡ですが、細いスコープで高い解像度の検査を可能にしております。また鎮静剤を使用することで、ウトウトした状態で内視鏡を受けていただけます。
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経口胃内視鏡について
(口から胃カメラ)当院で経口内視鏡で使用しているスコープは経鼻内視鏡と同じ細径カメラです。口からの内視鏡は”辛い”イメージがあるかもしれませんが、経鼻内視鏡より時間を短縮した検査が可能です。また嘔吐反射は経鼻内視鏡より起きやすくなりますが、何より検査後の鼻痛や鼻出血は起こりません。さらに当院では鎮静剤と併用することで、負担の少ない経口内視鏡が提供可能です。
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経鼻胃内視鏡について
(鼻から胃カメラ)経鼻内視鏡検査は鼻からスコープを挿入する胃内視鏡検査です。最大のメリットは舌根を押さえることがないため、嘔吐反射が起こりにくいことです。一方、鼻腔という非常に狭い空間にスコープを挿入するため、検査中や検査後に鼻出血が起き、鼻が痛くなることがあります。また鼻炎などの影響で鼻腔が狭くなり、検査自体の実施が難しいことがあります。その際は経口内視鏡に切り替えて検査をすることになります。
当院の胃内視鏡検査(胃カメラ)の特徴
消化器内視鏡専門医が
検査します
当院の胃カメラ検査は、すべての症例を消化器内視鏡専門医が担当します。この資格は、日本消化器内視鏡学会が定める経験を持ち、厳しい試験を通過したことを証明するものであり、内視鏡を使った診療に必要な知識の豊富さや技能の高さを示すものです。
胃カメラ検査は重篤な疾患の発見にも関わりますから、ぜひ専門医の資格を有する医師が担当する当院にご相談ください。
ご希望の方には
鎮静剤を使用します
「胃カメラ検査を受けたいけど、苦痛は避けたい」という方に対して、当院では鎮静剤を使用しています。
「過去の胃カメラ検査が非常に苦しかった」という方は少なくありません。当院は細い胃カメラを使用することでできるだけ苦痛を少なくしていますが、胃カメラを挿入するときに嘔吐反射が起こることはあります。そんなとき、鎮静剤を使えば嘔吐反射を抑えることができますし、眠ったような感覚でいるうちに検査を済ますことが可能です。
※鎮静剤を使用した日は車の運転はできませんので、公共交通機関のご利用やご家族による送迎をお願いいたします。
※元気すこやか健診で胃カメラを受ける方には、東広島市の指導により鎮静剤が使用できません。ご了承ください。
当院では新型のオリンパス社製内視鏡システムを使用しています
当院では新型のオリンパス社製のシステムEVIS X1を導入しております。旧型のシステムと比較し飛躍的に画像が鮮明になり、より解像度が高い画像で検査が可能です。
また通常白色光だけでなくNBI (Narrow Band Imaging)やTXIなど特殊光を使用し、より微細な早期がんも発見しやすい内視鏡システムです。
処置具は使い捨てのため安心で衛生的
当院で使用する内視鏡の処置具(生検鉗子、ポリープ切除用スネア)は全てディスポーザブル製品(使い捨て)です。そのため患者さんには可能な限り感染のリスクが低い内視鏡処置が提供可能です。
検査後には丁寧に内視鏡の検査結果を説明いたします
検査後に休憩いただき、その後ディスプレイで内視鏡の画像をご覧いただけます。当院ではオリンパス社の内視鏡画像・レポート管理ソフトであるVivolyを使用し内視鏡レポートを作成します。ご希望の方には患者さん用のレポートをお渡し致します。
胃カメラ・大腸カメラが同日に施行可能です
本田クリニックでは胃内視鏡(胃カメラ)と大腸内視鏡(大腸カメラ)を同日に検査することも可能です。お忙しい中、胃・大腸を同時に調べることが可能になるため時間的なメリットが特に大きいです。
土曜日や夕方時間帯にも胃カメラ・大腸カメラを受けていただけます
平日がお忙しい方には土曜日に内視鏡検査を受けていただくことも可能です。平日を休む必要がなく、平日にお時間の調整が難しい方は一度ご相談ください。また一部平日の夕方の時間帯にも胃カメラを受けていただけます。
胃内視鏡検査(胃カメラ)の流れ
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内視鏡検査 前日
- 夕食は21時までに消化の良いものを食べて下さい。
- 21時以降、絶食。水分は摂っていただけます。
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内視鏡検査 当日
- 検査当日の朝食は絶食して下さい。
- 透明な水分(水やスポーツドリンク)は少量は飲んで頂いても大丈夫です。
- お薬内服中の方はお薬手帳をお持ち下さい。
- 定期薬は医師より許可のある薬は服用してください。(糖尿病の薬はのまないでください)
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ご来院
- 問診(事前チェック)をします。
- 口腔から喉に表面麻酔(痛み止め)をします。
- 点滴をして鎮静剤(ウトウトする薬)を投与します。
- 検査時間は、5~10分で終了です。
※車で来院された場合、鎮静剤は使用できません。
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内視鏡検査 開始
- 胃の泡を消す水薬を飲んだ後、喉に麻酔スプレーを散布します。
- 鎮静剤希望者には、酸素濃度や血圧を測定する機器をつけていただき、点滴を行います。
- 検査時間は5~10分程度です。
※体横になったときの身体の向きに制限がある方は事前にお申し出ください。
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内視鏡検査 終了
- 検査後は結果説明の後にご帰宅可能です。
- 鎮静剤を使用した場合は検査終了後、ベッドまたはソファにて1時間程度お休みしていただきます。
- 十分に麻酔が覚めるまでお休みください。
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内視鏡検査後の説明
内視鏡結果を医師よりご説明いたします。
病理検査の結果について(胃)
病変の疑いがあり、組織を採取した場合は病理検査に検体を提出して病理専門医に評価を依頼します。通常2週間程お時間をいただきますので、改めて結果を説明いたします。結果が出るころに再度組織検査結果を聞きにいらしてください。万一入院が必要な病変が見つかった際には、提携している医療機関へ紹介状を作成いたしますのでご安心ください。
胃内視鏡検査
(胃カメラ)の費用
検査種類 | 1割負担 | 3割負担 |
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胃内視鏡(観察のみ) | ¥1,500 | ¥4,500 |
胃内視鏡(顕微鏡検査を含む) | ¥3,000 | ¥9,000 |
胃内視鏡 (顕微鏡検査・ピロリ菌検査等を含む) | ¥4,000 | ¥12,000 |
胃がん検診について
胃がんはある程度進行しない限り目立った自覚症状がないので、定期検診や他の疾患の検査で内視鏡を使ったときに発見されることが多い疾患です。早期に発見するほど治療しやすいので、ぜひ当院の胃がん検診をご利用ください。
こんな症状がある方は
受診をご検討ください
- 胃が痛む・不快感がある
- 食欲不振
- 食事がつかえる
- 胸やけがする
- 貧血
- 体重減少
- 吐き気
- 血便・黒い便が出る
- 40歳以上で胃がん検査をしていない
胃がん検診の検査方法
内視鏡検査
口から入れた内視鏡で胃の内部を確認し、病変の部位や大きさ、深さなどを見ます。また、病変を採取して生検を行うこともあります。詳細の情報を得る場合や、転移を調べる場合は超音波内視鏡検査も選択肢として検討します。
よくある質問 Q & A
内視鏡検査を受けたことがなく、不安に感じる方や疑問がある方はこちらを参考にご活用ください。