花粉症

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花粉症について

花粉症とは花粉が原因となりアレルギー症状を引き起こす疾患です。アレルギー性鼻炎の3大症状はくしゃみ、鼻水、鼻詰まりで、アレルギー性結膜炎(目のかゆみ、涙、充血など)を合併することも多いです。原因となる花粉はスギを筆頭にヒノキ、ブタクサなどと言われております。広島県の花粉の飛散は例年1月中旬以降くらいから増え始め、2-3月にピークになり5月くらいまで続きます。 スギ花粉症では、スギ特異的IgE抗体がアレルギーの原因の細胞(肥満細胞など)に付いています。このIgE抗体がスギ抗原と結合し、肥満細胞が活動を始めてヒスタミンやロイコトリエンというアレルギーの症状の原因となる物質を放出します。これらの物質が花粉症の症状を引き起こします。

花粉症の内服、点鼻噴射、点眼治療

対症療法

抗ヒスタミン薬(商品名 アレグラ、ビラノアなど)

肥満細胞から放出されるヒスタミンの活動を抑える薬です。現在は第二世代が主流になってきており、以前に比べ眠気の副作用は軽減されてきております。基本的な使い分けは1日1回か1日2回の内服が必要かの違いです。多くの種類がありますが、フェキソフェナジン(商品名 アレグラなど)は1日2回の内服、ビラスチン(商品名 ビラノアなど)は1日1回の内服です。

抗ロイコトリエン薬(モンテルカスト 商品名 シングレア、キプレスなど)

肥満細胞から放出されるロイコトリエンの活動を抑える薬です。特に抗ヒスタミン薬の効果が弱いとされる鼻詰まりの症状に効果があります。持続的に作用するので、1日1回就寝前の内服になります。
モンテルカルストの仕様に注意が必要な人は妊婦、授乳中の人、小児などです。飲み合わせの関係でてんかんの薬(フェノバルビタール)を内服中の方は主治医に相談が必要です。

鼻噴射ステロイド薬

特に鼻詰まりの症状が強い場合に使用されます。薬によりますが、モメタゾンカルボン酸エステル水和物(商品名 ナゾネックス)は1日1回の噴射で治療を行います。しっかり効果を出すためには連日しっかり予定通り使用することが大切です。

抗IgE抗体オマリズマブ(商品名 ゾレア®)

抗IgE抗体オマリズマブ(ゾレア®)は、季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の治療に用いられる「抗IgE抗体」というお薬です。2020年より開始された、2月~5月に皮下注射する治療法です(保険適応)。対象は既存の抗アレルギー薬の内服とステロイド点鼻薬で効果の改善がない重症の季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の患者さんです。症状としては1日で11回以上鼻をかむことがひとつの目安となります。以下のような方に治療が検討されます。を最初に考えます。

  • 既存の治療で花粉症が改善しない。
  • 眠気の副作用があり、抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)が使いにくい。
  • 受験などの重要なイベントがあり、しっかり花粉症の症状を抑えたい。

ゾレアのメリット

  • 既存の治療で改善がない方にも効果が見込める
  • 効果の持続が長い(2-4週間)
  • 喘息や蕁麻疹などIgEが関与した他の疾患にも同時に効果がある

ゾレアのデメリット

  • 製造工程が複雑で高価である
  • 皮下注射薬で痛みがある

ゾレアの治療を受けるには

ゾレアによる治療を受けるための条件が決められております。

  • 重症または最重症の季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)で前スギ花粉シーズンでも重症な症状があった。
  • スギ花粉のアレルギー検査(血液検査)の結果が陽性(スギIgEクラス3以上)であること。当院ではVIEW39にて測定を行います。
  • 季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の既存治療(抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬など)を1週間以上行い、効果不十分であった。
  • 12歳以上で、非得意的総IgE濃度が30〜1,500IU/mLの範囲であること。
  • 体重が20〜150kgの範囲にあること。

上記の条件を全て満たす場合に保険診療でのゾレアの投与が可能になります。

ゾレアの投与方法

ゾレアの投与開始までには最低でも3回は来院していただく必要があります。

① 1回目の受診

  • 花粉症の診断
  • 既存治療(抗ヒスタミン薬や鼻噴射型ステロイド薬など)の開始
  • スギ花粉に対するIgE抗体の血液検査

② 2回目の受診(初回受診から最低1週間以上明けて)

  • 既存治療の効果の判定→重症花粉症の診断
  • 血液検査で非得意的総IgE濃度の測定

→投与量の決定

③ 3回目の受診

    初回投与(皮下注射)

その後投与量に沿って2または4週間毎に受診していただきます。
ゾレアの投与方法は皮下注射になります。また投与量と投与間隔は血清中総IgE濃度および体重に基づき決定されるので、患者さんごとに異なります。以下の表は血清中総IgE濃度および体重から算出される投与量を表したものになります。

4週間毎の投与

2週間毎の投与

ノバルティス社HP [https://www.okusuri.novartis.co.jp/xolair/pollinosis]より引用

ゾレアの費用

ゾレアは薬価が高い薬剤であり、治療の費用も高額になります。ノバルティス社のホームページで以下の治療費の目安が公開されております。また高額療養費制度によって、医療費の一部が払い戻される場合があります。高額療養費制度についてそれぞれの保険者(国保、協会けんぽなど)にお問い合わせください。

ノバルティス社HP [https://www.okusuri.novartis.co.jp/xolair/pollinosis]より引用

ゾレアの副作用

ゾレアの副作用は主に注射部位の腫れなどの局所症状です。注射部位の腫れや発赤、痛みなどです。また全ての薬に共通ですが、薬剤に対するアレルギー反応、特に喘息様発作、全身の掻痒感(かゆみ)、呼吸困難、口の中の腫れや血圧の低下は重度のアレルギー反応である「アナフィラキシー」の可能性があります。その場合は緊急での受診が必要です。

ゾレアに関しての詳細情報はノバルティス社のホームページ[https://www.okusuri.novartis.co.jp/xolair/pollinosis]を参照ください。

根治治療

スギ花粉に対する舌下免疫療法

スギ花粉に対しては、舌下免疫療法が花粉症に対する根治治療になっております。

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【診療時間】9:00~13:00/15:00~18:00
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