大腸内視鏡検査の前処置

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大腸内視鏡検査の前処置

大腸内視鏡検査は、大腸の内部を直接観察することで、大腸ポリープや腫瘍などの病変を早期に発見するために行われる検査です。検査の精度を高めるために、検査前には腸管をきれいに洗浄する必要があります。

前処置の目的は、大腸内に残っている便や汚れを洗い流すことで、大腸の内部をより明瞭に観察できるようにすることです。便や汚れが残っていると、病変の見落としや診断の誤りにつながる可能性があります。

前処置には、検査前日までに食事制限を行う方法と、検査当日に下剤を飲む方法があります。

検査前日までの食事制限

検査前日までに、消化のよい食べ物(白米、おかゆ、魚、鶏肉など)を食べて、野菜や果物、乳製品、食物繊維の多い食品は避けます。また、午後8時以降は何も食べないようにします。


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大腸内視鏡検査の下剤の
メリット・デメリット

  • Merit

    • 腸管をきれいに洗浄することで、検査の精度を高めることができます。
    • 検査当日の絶食時間が短縮されます。
    • 検査当日の午前中に検査を開始することができます。
  • Demerit

    • 下剤を飲むと、腹痛や下痢などの副作用が出ることがあります。
    • 脱水症状を防ぐため、十分な水分補給が必要です。
    • 下剤を飲むと、体重が減少することがあります。

検査前日の下剤の種類と飲み方について

ピコスルファートナトリウム(商品名 ラキソベロン)

ラキソベロンは1本10ccの刺激性の下剤です。なぜ検査の前日に服用が必要になるかというと、便が腸の中に残っている状況で当日の下剤を内服すると、便が腸管の蓋になってしまい、お腹が張ったり吐気を引き起こしたりします。つまり大腸内視鏡の当日の下剤のためのウォーミングアップのために内服します。基本的には検査前日の21時に内服します。コップ1杯の水に溶かすと飲みやくなります。
ラキソベロンの効果の発現は7~13時間後ですが、人によっては早く効果が発現してしまい、夜中に腹痛や便意を催してしまい寝不足になってしまうこともあります。経験談としては私もあまり寝られませんでした。しかし、検査当日の下剤の効果を最大限発揮させるには必要な薬です。

検査当日の下剤の種類と飲み方について

当院では、下剤を複数種類のご用意をしております。下剤は種類によって味や飲み方が異なりますので、ご希望の下剤をお選びください。
下記に、それぞれの特徴、味の情報、、一般的な飲み方を記載しております。

マグコロールP(マグコロール散パウチ)

スポーツドリンクのような甘みのある味です。
クエン酸マグネシウムを主成分とする非吸収性下剤です。
便の量を増やし、大腸内を洗浄します。
水に溶かして飲用します。

マグコロールPの溶かし方、飲み方

検査当日の検査開始5時間前から、水に溶かしたマグコロールP1800mlを
1~2時間かけて、コップに注いでゆっくり飲用します。
(服用される方は、動画をご確認ください。)

注意事項

下痢や腹痛などの副作用が出ることがあります。
服用中は水分を十分に摂取してください。
服用後、車の運転や危険を伴う作業は控えてください。

モビプレップ

本製剤は高張液であるため梅風味で、酸味が強いです。
味覚には個人差がありますが、一般的に「梅ジュースのような味」と表現されます。
腸管内洗浄力は強く、製剤の服薬量は1.0~1.5リットルと水分750ml程度であり製剤の服用量は少ない前処置になります。

モビプレップの溶かし方、飲み方

モビプレップは、検査当日の検査開始4-5時間前から飲み始めます。

  • モビプレップ1袋に水1.5Lを注ぎ、よく混ぜる
  • 水500mLを追加した合計2Lの液体を、1Lずつ1時間かけて飲む
  • 1Lの液体を飲む毎に、最低水またはお茶500mLを飲む
  • 便が透明になるまで繰り返す

なお、高齢者や脱水症状のリスクのある方は、2杯1杯法で飲むことが推奨されています。

注意事項

脱水症状や電解質異常を起こす可能性があるため、医師の指示に従って服用することが大切です。
また、モビプレップは、便意を催す作用があります。
飲んでいる間は、トイレの近くで過ごすようにしましょう。

ニフレック

詳しい飲み方はこちら

ニフレックの味は、少し塩味のある、やや薄味の味です。
苦みや酸味はほとんどなく、飲みやすいと感じる人もいます。
腎機能が低下している患者さんにも使用できる製剤です。

ニフレックの溶かし方、飲み方

ニフレックの一般的な飲み方は、以下の通りです。

  • ニフレックの専用袋を袋の上から数回押して、粉末をすべて取り出す。
  • 2Lの水にニフレックの粉末を加え、よく混ぜる。
  • コップ1杯(約200ml)を10分間隔で、計10回飲む。

なお、高齢者や脱水症状のリスクのある方は、2杯1杯法で飲むことが推奨されています。

注意事項

1回に大量に飲むと吐き気や嘔吐を起こす可能性があるため、コップ1杯ずつゆっくりと飲む。
飲んだ後は、水分を十分に摂取する。
排便が続く場合は、医師または看護師に相談する。

サルプレップ

サルプレップは2021年に発売された新しい製剤です。
一番の特徴はすでに溶かした状態でペットボトルに入っており、そのまま飲めるシンプルな投与方法になります。
また、本剤は高張製剤で薬液を飲む量が少なくて済む(他剤の半分程度)のも特徴です。
腸管洗浄力も高く、大腸の奥の方まできれいになるとされています。
味覚には個人差がありますが、一般的に「レモン風味の濃縮スポーツドリンク」と表現されます。味が濃く後味に若干苦みがありますので、冷蔵庫でよく冷やし一口飲む度にお茶などで口直しをしながら飲むと飲みやすくなります。

飲み方

サルプレップの一般的な飲み方は、以下のとおりです。

いずれの方法もサルプレップの2倍量の水またはお茶の用意が必要です。

①標準法

検査当日:サルプレップ480ml(1本)を30分かけて全て内服していただきます。
その後水またはお茶約1リットルを60分かけて飲んでください。

②1杯2杯法

検査当日:コップ1杯(約120ml)のサルプレップを飲んでいただき、併せて水2杯(約240ml)を10-20分で飲みます。
これを繰り返しサルプレップ480ml(1本)と水またはお茶約1リットルを90分かけてゆっくり飲んでください。

服用方法解説動画

①標準法
②1杯2杯法

ピコプレップ

リンゴ風味で、ポカリスエットのような味と表現されることが多いです。
苦味や塩味がなく、比較的飲みやすい味です。

下剤の内服量が少なく、1回150mlを2回服用するだけなので、下剤が苦手な人にも服用しやすい傾向があります。ただし透明な飲料は飲む必要があります。

飲み方

1回目の服用は、検査前日の夜に、150mlを水に溶かして服用します。
その後透明な飲料を250mL/杯×5杯以上飲んでください。
2回目の服用は、検査当日の朝に、150mlを水に溶かして服用します。
その後透明な飲料を250mL/杯×3杯以上飲んでください。

検査前日の夜は、透明な飲料のみ摂取可能です。
透明な飲料には、水、白湯、スポーツドリンク、コンソメスープ、炭酸水などがあります。

注意事項

服用後は、脱水症状を防ぐために、水分補給を十分に行いましょう。
服用後に血圧低下や立ちくらみなどの症状が現れた場合は、医師または薬剤師に相談してください。

ビジクリア

ビジクリアは、大腸内視鏡検査前の腸管洗浄剤です。

ビジクリアの最大の特徴は錠剤タイプの下剤である点です。
錠剤は合計50錠あり、水を最低でも合計2L飲む必要があります。
“どうしても下剤の味が無理”と大腸内視鏡を敬遠される方の選択肢の一つです。

飲み方

ビジクリアの一般的な飲み方は、以下の通りです。

  • 朝食は食べずに、水を200mL飲む。
  • ビジクリア5錠を200mLの水と飲む。
  • 15分後に2.を繰り返す。
  • これを計10回繰り返し、ビジクリア50錠を飲み切る。

また、服用後30分以内に下痢が始まり、1~2時間にわたって続くことがあります。

注意事項

ビジクリアを服用する際には、以下の点に注意が必要です。

妊娠中や授乳中は服用しない。
腎臓や肝臓に障害がある人は服用前に医師に相談する。
服用後、脱水症状を起こす可能性があるので、こまめに水分を摂取する。 服用後、下痢が続く場合は医師に相談する。

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