直腸カルチノイド(直腸神経内分泌腫瘍NET)について

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直腸カルチノイド(直腸NET)とは

直腸カルチノイドは直腸にできる腫瘍で、神経内分泌腫瘍(NET)の一つになります。“カルチ”はがんを意味し、“ノイド“はもどきを意味します。つまりカルチノイドは”がんもどきき“という意味になります。しかし、悪性度は低くても悪性腫瘍として転移を起こす腫瘍も報告され、誤解を防ぐ意味もある近年WHOの分類に基づき神経内分泌腫瘍(NET)の呼び名が正式名称になっています。しかしカルチノイドの名称も専門家の間でも一般的に使われる呼称であるため今回は併記した上で紹介します。

直腸カルチノイド(直腸NET)の特徴

直腸カルチノイド(直腸NET)を含む神経内分泌腫瘍は全身に分布している内分泌細胞に発生する腫瘍で、全身の臓器に発生します。直腸カルチノイド(直腸NET)は粘膜の深い部分に存在する内分泌細胞から発生する上皮性腫瘍ですが、見た目は粘膜の下から発育する粘膜下腫瘍のような見た目になります。一般的に色調は黄色がかった隆起が特徴的です。腫瘍の増大に伴い、表面が凹む陥凹や、掘れた潰瘍を認めることもあります。

Yoshihisa Tokumaru, et al. Rectal neuroendocrine tumor developing lateral lymph node metastasis after curative resection: a case report. World J Surg Oncol. 2020 Apr 13;18(1):74.. According to the Creative Commons license.

直腸カルチノイド(直腸NET)の検査

直腸カルチノイド(直腸NET)を認めた際には以下の検査が行われることがあります。

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)は直腸カルチノイドの際に必須の検査になります。組織を採取する生検も行うこともできます。

大腸内視鏡検査について

超音波内視鏡(EUS)

大腸内視鏡検査のスコープ(カメラ)の中に特殊な超音波カテーテルを挿入し、腫瘍の内部を超音波で確認することがあります。超音波内視鏡(通称 EUS)は腫瘍が進展する際に、どの程度の深さまで腫瘍があるかを評価する場合に行われます。EUSで腸管蠕動を司る筋層まで浸潤があると判断された場合、内視鏡的な切除が難しくなるため、外科的な切除が必要になります。

病理学的検査

神経内分泌腫瘍の治療方針の決定に際し、病理学的な悪性度の評価は非常に大切です。悪性度がG1~G3の3段階で評価され、数字が大きくなると悪性度も高くなります。

直腸カルチノイド(直腸NET)の治療

直腸カルチノイド(直腸NET)はサイズと内視鏡の見た目、病理学的な悪性度、転移の有無によって治療方針が決定されます。

内視鏡的切除

10mm以下の小さい腫瘍で、内視鏡的に不整な形(潰瘍や陥凹など)がない場合は内視鏡での切除が選択されます。バンドを使ったポリペクトミーの応用であるEMR-Cや内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が行われることが多いです。

外科的根治術(リンパ節郭清を伴う直腸切除)

サイズが多く、リンパ節や遠隔転移のリスクが高い場合には直腸と周囲のリンパ節を含めた外科的切除が行われます。

抗がん剤治療(化学療法)

遠隔転移がある場合や手術での切除が不可能と判断された場合には抗がん剤による治療が選択されます。

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